「会社員だけど社会保険ってどのくらいかかって、どのくらい貰えるの?」
「社会保険?健康保険やら年金保険やら、いっぱいあって良く分かんないんだけど。」
「ていうか社会保険ってぶっちゃけ何?」
社会保険・・・毎月毎月、給与明細からごっそり天引きされてるアレです。
でも、社会保険の内容って・・・
ですよね。。。
学校では教えてくれないし、会社でも教えてくれません。 正しく理解するとあらびっくり。結構な質・量の保証があるんですよ!
サラリーマンは社会保険で所得税や住民税とあわせて、年収のおよそ3割が天引きされています。
もし年収500万円なら、150万円が天引きですよ。それほどのお金を支払って、何が貰えるか知らない・・・ってやばくないですか。
せっかく社会保険でカバーされる保証も、「自分が申請しないと」貰えません。社会保険について良く知らないと、せっかく毎月払っている意味が無くなってしまいます。
ということで今回は、サラリーマンの皆さんでも、よく分かる言葉で、分かりやすく説明します。
手元にある自分の給与明細と一緒に見ると、理解が深まりますよ!
➡公開した2017年12月13日その日に、当ブログ読者の社会保険労務士、米澤裕美さんにコメント頂き、修正出来ました!ありがとうございます。
この記事の内容で間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります!
ワープ出来る もくじ
社会保険は5つから成り立つ
まずは全体からざっくり説明します。社会保険は、5個あります。
- 健康保険(ケガ・病気の治療費をカバーする)
- 厚生年金保険(自分が高齢になったときにお金がもらえる)
- 雇用保険(失業したとき、再就職するときお金がもらえる)
- 介護保険(40歳から支払う。介護・支援サービス使うためのお金がもらえる)
- 労災保険(会社が支払う。通勤中・仕事中のケガ・病気の治療費や働けないときの給料をサポート)
です。
5つ・・・?
・・・これ、戦隊もので例えたら分かりやすいんじゃね?
ということで、懐かしの戦隊もので例えることにしますね!色と結びつけると覚えやすいですしね!
▼サラリーマンの人生をワンストップでトータルサポート!俺たちシャカイホケンジャー!
個別に「どういう保険なの?」「入ってると、どんなときに何がもらえるの?」「いくら払うの?」を説明していきます。
特に大事なのは、「どんな時に何がもらえるの?」ですね。一般的なことはもちろん、「え?こんな時にも出るの!?」というサプライズ的なメリットも説明していきます!
まずは血の赤!健康保険!
健康保険は、ケガや病気の治療費を補助してくれる保険です。例えるなら・・・そう、血の赤。そして社会保険で最も身近なリーダー的存在です。
▼健康保険のレッド。リーダーの重圧に悩むアラフォー。
分かりやすく言うと
「病院行くなら、治療費3割だけで良いよ!」
という保険です。
健康保険をざっくり
- 主に貰えるもの:病院の治療費が3割で済む
- かかるお金:自分と会社で半分ずつ出し合う
- 関係機関:会社・健康保険の組合窓口、協会けんぽ(中小企業)、組合けんぽ(大企業)
健康保険は自分だけでなく、自分が扶養している家族や子供も一緒に加入できます。
▼健康保険に入っている人は保険証がもらえます。こういうのですね。
病院で保険証を提示すれば、お医者さんに支払うべき治療費の3割(小学校前の子供、70歳以上は2割)だけ払えばオッケー!な保険です。
でも一部の治療は保険対象外で100%自腹なんです。。。例えばこんな感じ。予防注射も自腹なんですよね。。。
- 健康診断や人間ドック
- レーシック(近視治療)
- 先進的治療
- 美容整形手術
- 予防注射
近視を直す「レーシック」も保険対象外なので、100%自己負担。一般的にレーシックの価格は2~30万円。保険対象なら6~9万円で済むのに!!って感じです。この例だけでも、健康保険がどれだけありがたいか?分かるでしょう。
健康保険にかかるお金
健康保険料は、サラリーマンであるあなたと、会社(事業主)が保険料を半分ずつ負担しあいます。
実際の計算は「生活や実務に役立つ計算サイト、keisan」の健康保険料の計算が分かりやすいですよ!
以下、理解を深めるために、実際の計算を説明していきます。厚生年金保険も同じような計算方法ですから、ざっくり理解しておくと役に立ちます。
健康保険料の実際の支払額= 標準報酬月額 × 一般保険料率
で決まります。
と、あまり見なれない言葉が出てきました。説明しますね。
「標準報酬月額」は毎年4〜6月の基本給+残業手当+通勤手当などを含めた税引き前給与の平均(報酬月額)から決めます。
7月に決めて、9月から次の年の8月まで同じ標準報酬月額を使います。4~6月の給料で「レベル分け」されるんですね。
▼こんな感じの表で決まります。(引用:平成29年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表)
上の表で言うと、例えば報酬月額63,000~73,000万円未満で40歳未満の人は、
- 標準報酬月額 = 68,000円(2等級)
- 健康保険料 = 6738.8円を会社と折半して支払いは3369.4円(40歳未満で介護保険は入ってないので、左側の9.91%が適用されます)
ということになります。
この辺りの数字はお勤めの会社所在地によって変わるので、以下で調べてみてください。↓
参考リンク:全国健康保険協会 平成29年度保険料額表
報酬月額には残業手当も含まれるので、4〜6月は残業しないほうが標準報酬月額も下がって、月の支払い負担も安く上がります。
この後に説明する厚生年金保険でも支払額の計算に使うので、残業する・しないでバカにできない金額の差が生まれますのでご注意を!
「一般保険料率」は加入している健康保険の団体によって決まります。大きく分けて2つ。
- 中小企業の従業員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)
- 大会社が独自に持ってる組合けんぽ
一般的に、協会けんぽより、組合けんぽの方が、料率は安くなります。さすが大企業という感じですよね。。。
健康保険 知っておくと便利なこと
このように便利な健康保険ですが、これ以外にもあまり知られていない便利なことがあるんです。ここではそれをご紹介します!
ケガや病気で仕事できなくなった➡傷病手当金が出るよ
仕事以外の理由でケガや病気で仕事出来なくなった場合、休業中のお金が出ます。傷病手当金というものです。(通勤中のケガ、仕事理由での病気の場合は、労災保険の休業給付金と休業給付一時金が出ます)
期間は休業4日めからで、最大1年6ヶ月もらえます。
貰える額は休業1日につき、標準報酬日額の3分の2が出ます。月額を30で割った、日額ですよ。かなり助かりますね。
病院で物凄く高い治療費がかかった➡高額療養費制度が使えるよ
高性能な医療器具を使った診療を何回も繰り返し受けたり、入院した場合は、いくら3割負担であっても結構な負担になることがあります。
こんなときに使えるのが、高額療養費制度。一か月あたりの自己負担金が限度額を超えたときに、超えた額を現金で貰える制度(※治療後の申請の場合)です。
「じゃぁその限度額っていくらやねん?」ですよね。
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例えば1か月で100万円の医療費がかかったとしましょう。
自己負担は3割の30万円です。
計算すると、年収370万~770万円の人の自己負担の限度額は、87,430円になります。(80100円+(その月の医療費(=100万円)-267,000円)×1%)
自己限度額を超えた額は、30万円ー8万7430円=212,570円となり、この金額が返ってくることになります。
自分で申請しないと、このお金は戻ってこないことにご注意を!知らないだけでこんだけ差が出ちゃうんです。
でも・・・このような負担が毎月続くとなると厳しいですよね。
という人の方向けに!
直近12ヶ月以内で高額療養費が4回め以降は、44,400円に抑えられる「多数該当の負担軽減措置」というものがあります。
さっきの例だと、1~3か月目は自己負担87,430円ですが、4か月目以降は44,400円になる、ってことです!これスゴクないですか?
こういう制度があると知ったうえで、医療保険や生命保険に追加で入るか?検討しても遅くはないでしょう。
海外でケガ・病気で病院行った➡海外療養費が出るよ
出張・旅行で海外に行った先で、腹痛や発熱で現地の病院にかかったとしましょう。
そのとき病院に支払うのは保険が効かないので全額です。痛い出費ですね。
このような負担を軽減するのが、療養費制度です。「やむを得ない理由で医療費全額を支払った際」に自己負担分を超えた金額を後から現金で戻してくれます。
この費用の請求は、現地で医療費を支払った2年後まで出来ますが、現地病院から貰った明細書やその日本語翻訳文を付ける必要があって、ちょっと厄介です。
知っておくことが大事ですね。
出産関係でお金がかかった➡出産手当金、出産育児一時金
妊娠とか出産は病気やケガではないので、保険対象外のようです。
でも少子高齢化の時代なのに、これじゃ誰も産もうとしませんよね。なので独自に仕組みが作られています。それが出産手当金と出産育児一時金です。
出産手当金は出産に伴い休業した場合に出るお金。「産休手当」とも呼びます。
出産育児一時金は、本人もしくは扶養している配偶者が出産すると1児につき42万円が支給される制度です。
届け出先は会社・健康保険の組合窓口へ
このように申請することで色んなメリットをうけられる健康保険ですが、この申請、どこ宛てにすればいいんでしょうか?
会社の人事部に問い合わせでも良いでしょうし、保険証自体に書いてある電話番号に電話することで、それぞれの申請方法について、詳細を教えてくれるでしょう。
老後・家族の安心=ブルー、厚生年金保険
厚生年金保険は会社員だけが入る保険。将来加入者が高齢になったとき、国民年金にプラスして老齢年金がもらえる制度です。
例えるなら・・・老後・家族の安心のブルーをもたらす戦士となるでしょう。
社会保険中でもっとも高い支払い金額となり、レッド(健康保険)と並んで人生をサポートする、サブリーダー的存在です。
▼厚生年金のブルー。ピンクが好きだがクールというキャラ設定だから話しかけづらい状況。
少子高齢化に猛ダッシュで進んでいる日本としては、この老後の年金(老齢年金)がどんだけもらえるのか?国民みんな不安になっているところ。
でも老齢年金のほかにも、障害年金・遺族年金もあるんです。盛りだくさんです。順に見ていきましょう。
厚生年金保険をざっくり
- 主に貰えるもの:老後の生活資金
- かかるお金:自分と会社で半分ずつ出し合う
- 関係機関:日本年金機構
高齢になったときお金を貰える・・・というのは国民年金も同じような制度ですが、会社員の場合、国民年金にも加入しているので、国民年金+厚生年金のどっちも出ちゃいます。嬉しいですねぇ!
その分お金もかなり払うことになるんですけどね。
で、どのくらい貰えるか、分からないけどね。。。
とブラックになってしまいがちな厚生年金ですが、まったく出ないわけではありません。
厚生年金保険はどれくらい貰える?
2017年現在は国民年金・厚生年金ともに65歳から貰えます。
ねんきん定期便、という手紙で自分の年金額予想は付きますが、出来ればいつでも見たいですよね。
そんな人におススメなのは、日本年金機構の「ねんきんネット」。
登録して、一週間くらいで送られてくるユーザーIDを使って、いつでも自分の年金記録、年金見込み額シミュレーションが出来るサイトです。
▼ねんきんネットで出来ること一覧
▼自分の加入記録を見れます。二十歳のころは学生だったから国民健康保険で両親が払ってくれていたのか・・・感謝。
▼自分の年金シミュレーションが色んな方法できめ細かく出来るし、結果も保存できます。便利。
自分の場合、65歳から月々16万円くらいもらえるのが分かります。。。少ない。ヤバいですね。
一方で、現在のお年寄りたちはどれくらい貰ってるかみてみましょう。
2017年12月時点で最新の状況は、2015年に厚生労働省が出している「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」という文書で確認できます。
これを見ると・・・以下二つのことが書いてあります。
- 厚生年金保険(第1号)受給権者の平均年金月額は、平成27年度末現在で、老齢年金は14万5千円となっている。
- 国民年金受給権者の老齢年金の平均年金月額は、平成 27 年度末現在で5万5千円、平成 27 年度新規裁定者で5万2千円となっている。
引用:厚生労働省年金局「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
つまり、平均受給額は月20万円(国民年金が5万5千円 + 厚生年金が14万5千円)、ということになります。
ちなみにこの4年前の平成23年には20万4千円でした。4年で4千円ダウンしています。
30代のボクらが受給世代になる、2~30年後はどのくらい下がるのか・・・さっきの16万円という計算結果は、妥当な気もしてきます。
ちなみに、貰える額は下がっていますが、貰える基準は緩まっているんです。
これまで、年金受給するには25年間の保険料の支払いが必要でした。でも今年の8月から、10年に短縮されました。
年金もらえない人の救済と、保険料支払おう!というモチベーション向上を狙ってるんでしょうか。。。(もちろん、支払った年数が少なければ更に受給できる額は下がりますよ)
厚生年金保険にかかるお金
厚生年金保険にかかるお金は、健康保険と同じように、標準報酬月額を使って計算します。会社(事業主)と保険料を半分ずつ負担しあうのも同じです。
健康保険の支払額よりも、厚生年金保険の支払額の方が高いはずです。
参考リンク:全国健康保険協会 平成29年度保険料額表
実際の計算は、同じくkeisanの厚生年金保険料の計算が分かりやすいですよ!
健康保険で紹介した表で確認できますので見てみてください。
厚生年金保険 知っておくと便利なこと
高い厚生年金保険。将来いくらもらえるのか分からないのに、払う意味あるのかな?というアナタにも見てほしい。
結構良い感じの内容ですよ。
自分が死んでしまったら家族は?➡遺族基礎年金・遺族厚生年金が出るよ
厚生年金保険の加入者が亡くなったときに、配偶者や子供たちにお金が出るようになります。
先ほど言った通り、サラリーマンが支払う厚生年金保険料は、国民年金保険料も入っているので、
- 国民年金の仕組みから遺族基礎年金
- 厚生年金の仕組みから遺族厚生年金
という2種類がもらえます。
1年あたりにもらえる遺族基礎年金はベースの780,900円に加えて、子供の数に応じて224,700円(3人目以降74,900円)がプラスされます。でも配偶者だけで子供が出ない場合、0円です!ひどい!!また、子供が高校を卒業した時点で、子供分が無くなります。
一方、遺族厚生年金は例えば標準報酬月額が30万円なら、1年あたり369,968円貰えることになります。貰える額は遺族基礎年金よりも少ないですが、下の特徴があり優しい感じ。
- 配偶者だけでも出る
- もし受け取る人が働いても減額無し
- 子供が高卒しても継続
加えて自分が亡くなったときに、奥さんが40歳以上なら中高齢寡婦加算(585,700円)がもらえます(再婚したら無くなっちゃいます)
老後にお金を融資してもらいたい➡融資してもらえるよ
孫におもちゃを買ってあげたい、結婚資金・・・老後も何かとお金は必要です。
でも働いてない高齢者にお金を貸してくれるところなんて、なさそう。。。
こんなとき国民年金、厚生年金、労災保険の年金を貰っている人なら、年金担保貸付でお金を借りることができます。
利率は年1.8%(労災なら0.9%)です。結構安くないすか?
大幅に給料下がった➡報酬月額変更届で標準報酬月額改定出来る
なにかミスしてしまったり、上司に嫌われてしまったりして、ごっそり給料が下がった(2等級以上)。。。
こんな不安定なご時世ですから、十分考えられますねぇ。。。
こんなとき、毎月天引きされる健康保険料や厚生年金保険料の額を減らしたいはず。
健康保険のパートで書いた通り、標準報酬月額は毎年7月に決められます。
がしかし!「報酬月額変更届」を出すことで、すぐに4か月後に標準報酬月額を改定して保険料を安く出来るんですよ。
被保険者の報酬が、昇(降)給等の固定的賃金の変動に伴って大幅に変わったときは、毎年1回行う定時決定を待たずに標準報酬月額を見直します。
引用:日本年金機構HP「月額変更届の提出」
保険料が下がった分、将来もらえる年金額は減ってしまいますが、どうなるか分からない将来よりも、「今を生きる」方が大事ですもんね。
会社員のハートを守るピンク、雇用保険
雇用保険は、失業したときに「失業給付金」や「再就職手当」が給付されます。
疲れ切って失業したブロークンハートな会社員たちを、愛のチカラで温かく包む、ピンク色の戦士と言って良いでしょう。
▼雇用保険のピンク。実家から見合いの話があり、Uターンしようか悩んでいる。
雇用保険をざっくり
- 主に貰えるもの:失業時の生活資金
- かかるお金:自分と会社で出し合う(会社の方が2倍多い)
- 関係機関:自分の地元のハローワーク
気を付けてほしいのは、ここでいう失業って「働きたいと思ってて、働ける能力があるのに仕事が見つからないんだよね」という状態、ということです。仕事を探しているけど就職できてない、ってのがポイントです。
例えば「退職して、俺は声優になるために専門学校に行くんだ!」という人は、働きたいと思っていませんよね。なので、失業給付金は貰えないことになります。残念。
雇用保険はどれくらい貰える?
失業したときの失業給付はいくらくらい貰えるんでしょうか?
だいたい退職前6か月の(税抜前の)平均賃金の50~80%が出ます。年齢や、失業の理由で割合が決まるんですね。
雇用保険にかかるお金
雇用保険は健康保険(レッド)や厚生年金保険(ブルー)に比べるとだいぶ安く済みます。例えば月30万円であれば、900円です。
実際の計算は同じくkeisanの雇用保険料の計算が分かりやすいですよ!
給与や賞与の総支給額から、0.3%が会社員が支払い、0.6%を会社が支払います。会社員を守る保険ですから、会社が多めに支払うんですね。
雇用保険 知っておくと便利なこと
就職するために、資格や勉強したい➡教育訓練給付金
パソコンや資格取りたい、と言う人は、教育訓練給付金を知っておくと良いでしょう。
これは国の指定を受けている講座を受講して、修了したら入学金と受講料の20%がもらえるというものです。
ちなみにこれ、仕事辞めなくても受けられるんですよ!
下記のページから対象講座を調べることが出来ます↓
参考ページ:教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座
この教育訓練給付金と、よく間違いやすいものが、公共職業訓練校です。こちらは授業料無料(テキスト代などは自腹)ですが失業中の人しか通えません。
▼以下のページで探せます。
参考ページ:厚生労働省 公共職業訓練コースについて
育児のために休業したんだけどお金ないっす➡育児休業給付
育児休業したときに給付をもらえる制度です。
休業前の給与月額の50%くらいが支給されます。
スタートしてからの半年間は給与月額の67%、その後は50%もらえます。
育児休業中は、健康保険、厚生年金が免除されますが、これによって老齢年金の受取額が減ることはありません。親切ですね。
子供が1歳2ヶ月になるまで、最大1年間最大2年間の育児休業をサポートしてもらえます。
※2年という期間についてですが、原則は1歳までです。保育園などに入れなかった場合最大2歳まで延長可となりました。
介護のために休業したんだけどお金無いっす➡介護休業給付
貰える額は賃金日額の67%。介護のための休業開始から最長93日間、支給されます。
貰える額は2016年8月1日以前は40%だったのでかなり上がりました。
今後も上がるとは思いますが・・・助かります。
65歳以上で退職したら損になるかも➡高年齢雇用継続給付
65歳以上で退職すると、失業給付ではなく、高年齢求職者給付金を貰うことになり、64歳以下で受け取る基本手当に比べて少なくなります。
差は失業給付の基本手当100日分くらい。結構違います。
でも「じゃぁ65歳になる前に退職する方が良い!」と早合点するのは危険です。退職金や、老齢厚生年金など、その他の給付も増減するからです。
この辺りは会社の退職規定や社会保険の加入状況をご自分で調べてみてくださいね。
【補足】最短で効率的に退職する方法
転職となると、必ずしなくては行けないのが退職です。
ただ、なかなか退職するまでは時間と労力がかかるんですよ。
「上司のスルー・引き止め」やら「同僚・部下への引き継き」とか・・・。
せっかく勇気を出して退職の相談をしても、上司の引き伸ばしやら時間稼ぎに合うと時間ばかりかかってしまい、どんどん転職できる時間が無くなってしまいます。
そんなときオススメなのが、退職代行サービス。なかでも業界トップクラスの実績を誇る退職代行EXITがオススメです。
めんどくさい上司や同僚とのやり取りが無く、スッキリやめることができるんです。退職届の提出や貸与品の返却も郵送でOK。
費用は3~5万円からですが、空いた時間を使って転職活動も出来ますし、何より面倒も苦労もありません。
ちなみにこのEXIT、転職サイト「ワークポート」と提携してます。EXIT経由で登録して紹介された案件で転職すると、退職代行費用も無料とすることが出来ちゃいます。やらないと損かも。
\スピード退職しよう/
会社へ連絡不要
転職サポートで代行費用全額キャッシュバック
窓口は自分の住所を管轄している公共職業安定所(ハローワーク)
雇用保険に関する問い合わせは、公共職業安定所(ハローワーク)です。
注意点は、会社の最寄りではなく、自分の住所近くのハローワークになることですね。
カレー(加齢)なら任せろ!介護保険
介護保険は40歳になってから支払うようになります。その名の通り、自分が年取った時に介護サービスを受けるときにお金をもらえる仕組みです。
介護保険の戦士は・・・ええと・・・
加齢したときに頼りになる・・・
加齢・・・カレー・・・そう、イエローの戦士だ!そういうことにしよう!
▼介護保険のイエロー。年々血糖値が高まっているが、日々の食事に一生懸命で悩みなど無い。
介護保険をざっくり
- 主に貰えるもの:老後の介護サービス・サービス代
- かかるお金:自分と会社で出し合う(40歳から月々の健康保険料と合わせて天引きされる)
- 関係機関:日本年金機構、地域包括支援センター
介護保険は、その名の通り「介護が必要な人が適切な介護サービスを受けられるように支える仕組み」です。
具体的にいうと、
65歳以上なら市区町村が診断する「要介護の認定」で決まったレベル(要支援1〜2、要介護1〜5の計7つの段階)に応じたサービスが受けられます。
で、このサービスには自宅に来てもらって行う「居宅サービス」と、専用の施設でサービスを受ける「施設サービス」があります。
原則、この2つのサービスを受けられるのは65歳以上の人(第1号被保険者)です。
40歳〜64歳の人(第2号被保険者)は、末期のがん、初期の認知症などの16個ある「特定疾病(しっぺい)」になったときのみ、介護保険サービスが受けられます。
特定疾病の16個は⬇
参考記事: 厚生労働省 特定疾病の選定基準の考え方
介護保険はどれくらいもらえる?
自宅でサービス受ける場合、1割の支払いですみます。内容は入浴・トイレの補助や調理・洗濯の援助や自宅へ出張しての診療、リハビリなどです。
施設でのサービスの場合も1割の支払いでOKですが、プラスして食費や居住費は全額自己負担です。きびちい。
【2017年12月16日補足】ある程度以上年収が高い人(年金収入などが340万円以上)は2018年8月より自己負担が3割となりました。これは全体の3%ということですが、どんどん介護保険も厳しくなってきていますね。。。
施設サービスの内容は日帰り介護施設への通所(デイサービスってやつ)、短期入所、有料老人ホームでの介護、グループホームでの共同生活など。。。です。
介護保険にかかるお金
介護保険料は、40歳〜64歳の人と、65歳以上の人とで違います。
40歳〜64歳は、月々支払う健康保険料に上乗せされた形で、天引きされます。
65歳以上の人は、だいたい月4,000円くらい。年金天引きか普通徴収されます。
介護保険の窓口は市区町村か地域包括支援センター
介護サービスを受けるには、まず要介護の認定を行ってもらうのが第一歩になります。
この受付は市区町村の役所窓口や、最寄りの地域包括支援センターでも行っています。
以前、介護についてセミナーを受けたときにも地域包括支援センターの重要性は聞いていましたので参考にどうぞ。
仕事でも安全の緑。労災保険
いよいよ最後の保険です。
労災保険は「労働者が業務中や通勤途中で病気やケガ・障害・死亡にあったときに補償される」保険です。
つまり、【会社の仕事における】安全の緑の戦士って感じです。
▼労災保険のグリーン。5人の中で1人だけ支払いが無い保険なので孤独。口癖は「ご安全に!」
労災保険をざっくり
労災保険は正社員だけじゃなく、アルバイトやパートの人でも補償を受けることができます。
労働基準監督署が窓口となり、その災害が労災保険の適用になるか?ならないか?を認定することになります。
また労災保険は自分だけが補償の対象、というのがポイントです。家族は対象にはなりません。そりゃそうだ。
「労働上」という縛りがあるためか、健康保険の補償よりも、手厚い補償になっています。
たとえば休業時の受給期間が健康保険は1年6ヶ月が最大ですが、労災保険では無期限です。
労災保険はどのくらいもらえる?
労働上の災害で、どうなったかにより、いろんな種類の給付を受けることができます。
下にその例をまとめておきます!
療養給付:無料で病気やケガが治るまで受けられる
休業給付:給付基礎日額の8割。さらにこの給付には税金がかからない
障害給付:障害程度に応じて年金もしくは一時金
遺族給付:遺族の状況、数、年齢により年金もしくは一時金
遺族保証年金、遺族特別年金、遺族特別支給金 仕事のため、通勤のため
労災保険にかかるお金
労災保険は会社が支払うので、自分で支払う必要はありません。
給与明細には載りませんが、影で会社が支払ってくれています。
労災保険の窓口は労働基準監督署
労災保険の窓口は・・・労働基準監督署になりますす。
まとめ 「頑張って理解しよう」
と、以上5種類の社会保険についてまとめてきました。
ものすご〜く盛りだくさんになってしまいましたね。。。1万字超です。
ここまで読んでくれた方は、思ったでしょう。
「こんなたくさん、分かるわけねぇじゃん」
と。。。
そう。分かりにくい。分かりにくくて調べるのが嫌になります。
ボクも最大限調べて分かりやすくしたつもりが、こんなに長文の大作記事になってしまいました。
ノリで書こうとしたら、書くことがありまくりだったので、泣きながら書いてます(笑)
でもここまで見て来て分かるように、社会保険ってちゃんと理解していると、すごく得するんです。
この記事を書いているまさにその時、妻から健康保険について聞かれたので、スマートに答えることが出来ました。
見直してもらえた気がします(笑)
軽くでも理解しておくと良いです。ほんと。
しっかり理解できれば、結構なコストを占める生命保険や医療保険など、不要な保険をカットすることも出来ますからね。
参考になると思ったら、周りの人にも教えてあげてくださいね!
最終手段:社労士さんに聞いてみよう
どうしてもわからないのなら、社会保険労務士さんに聞く・頼むのもアリです。
当ブログ読者で、ボクと同じ元IT系企業で19年もバリバリ働いて、子供育てながら勉強して独立された敏腕 社会保険労務士、米澤裕美さんのホームページ紹介しておきますね!
ボクもやっている遠距離通勤もされていたということで、奇遇ですねぇ!他人とは思えません(笑)
米澤さんからは当記事に関して、最新の改正状況踏まえてコメントして頂けました。ありがとうございます!
参考図書
この記事は以下の図書を参考にしました。
▼関連記事です。大企業での出世する人の特徴をまとめてみました。
▼転職する気がなくても、ビズリーチには登録しとくと良いよという記事