以前記事にしたように、僕は電話で子供に勉強を教えるブラックバイトをしていました。今日は約8000人の子供達に教えた経験から、子供に勉強を教える秘訣をお知らせします。
(1時間で最低12人、大体一回のシフトで3時間くらいやってましたから、1回約40人。週2回を2年やってましたから、365×2年×2÷7×40人≒8000人という計算です。)
ワープ出来る もくじ
子供に勉強を教えるのが難しい理由
まず、なぜ子供に勉強を教えるのが難しいのか、考えてみましょう。理由を解決すれば楽しくなるはずですもんね。
以下の理由で子供に勉強を教えるのは難しいです。
①そもそもやる気が無い
僕のやっていたバイト=通信教育制の教材会社では、全ての子供は「親から【強制的に】やらされていました。」
だから100%と言っていいほど、子供にとっては「勉強=嫌なもの」、という印象があります。「お母さん、僕勉強したい!」と言って、習いに来る子供なんて・・・怖いでしょ。
好きじゃないことを強制されるのは・・・そりゃやる気でません。
②勉強自体つまらない
そもそも、やる気がないのは何故でしょう?面白くないからです。
なぜ面白くないのか?「分からないから」「達成感が無いから」です。
分からないと自己嫌悪を感じます。親はお金を払ってるわけですから、子供がやらないと怒ります。出来ない子ほど怒ります。余計へこみます。で、その原因になった勉強が嫌いになっていく、苦しいものに変わっていく・・・無限ループです。
③先生が嫌い
やる気があっても、教えてくれる先生が嫌いだったら、どんなに好きな教科でも、勉強は嫌なものになります。学校の先生が嫌いになってしまうと・・・勉強で成果を上げるのは、とても大変です。
と、いうことで大きく3つ理由があります。
じゃあ、どうすれば良いのか?これは簡単です。これら3つの理由を消していけばいいんです。つまり、
①「分かった!出来た!先生と勉強するのは楽しい!という快感を増やし」、
②「分からない・親から怒られる・自己嫌悪といった痛みを消す」ことです。
じゃあ次は、そのためにすべきことを書いていきます。
子供に勉強を教える秘訣
子供の目線を理解し、その目線から話す
子供に勉強を教えるには、子供の目線での話が一番です。
算数で例えてみましょう。こんな問題がありますよね。
問1.「あきら君は、近所の八百屋で100円のリンゴを5個買いました。次に200円の梨を1個買いました。あきら君は全部でいくら使ったでしょうか」
・・・何時代だ?
・・・つまらん。つまらんですよ。今の子供はリンゴや梨なんて買いません。こういう問題ばかりだと、子供の現実世界と、勉強での出来事は離れていってしまい、さらに勉強やる意味が感じられなくなってしまいます。
リンゴはうまいけどね
ここはやはり、その子供の好きなもので例えて話をするべきです。。。↓
「A君、ゲームは好きかな?この問題、リンゴじゃなくて、「3DSのゲーム」だったらどう?5本も買えちゃったね!で、次に買ったのは・・・プレステ4のゲームだったらどうよ?200円だよ!?安っ!安いね!?どこにこんなお店あるんだろうね!?(笑)ってことで、全部でいくらかな?100円が5本だから・・・そうそう、500円だよね。で、プレステ4のゲーム200円買ったから、合計は・・・?はい出た、700円!!大正解~~~!」
と、言う風に、自らも楽しみつつ、子供にも身近な話題で楽しく勉強できます。
子供の目線で教えるには、もう一つメリットがあります。話が広がり、応用も出来る、ということです。
「そういや、A君、お小遣いいくら?1000円?マジで?結構もらってるじゃん。。。先生、A君の時は全然もらえなかったよ(泣) 例えばA君がこの問題のあきら君だったら、あとお小遣いいくら残ってるかな?」
と、楽しく話も出来、さらに考えさせる問題を一緒に考えることも出来ました。
出来なくても何も言わない。出来たことを「思いっきり」喜ぶ
出来なくても「当たり前」です。むしろ最初から出来ることが「異常」、という思いで接しましょう。当たり前だから、出来なくても僕ら先生は何も言ってはいけません。
かわりに、正解したら、喜びましょう。思いっきり!!先生が!!です。そう、子供が引くくらいに。「この先生、やべぇ・・・」というくらいに。
「やったぁぁぁすっげえぇぇぇぇ!ホントに出来たじゃん!!天才じゃねぇぇぇぇぇ!?」
子供はびっくりするかもしれません。引くかもしれません。ていうか、ほとんど引きます。でも・・・笑顔になります。100%笑顔になります(電話口だから見えなかったけど)。
先生は恥ずかしいかもしれませんが、それで子供の中には、「出来た、僕、ちょっとすごいのかも」という思いが生まれます。その積み重ねが、勉強のモチベーションになるのです。
逆に、「ダメだこいつ。出来ねぇ子供だな」と思っては絶対にいけません。絶対です。不思議なことに、子供は大人のそういう思いを敏感に読み取ることが出来ます。それは凄いマイナスの記憶となってしまいますから。
そういう僕も小さいころ、教えられても引き算がどうしても出来ず、「ダメだこりゃ」と行って去っていった父の背中を今も覚えています。30年前なのに(笑) だから、ダメだ、と思ってはいけません。
段階を踏んで理解してもらう
「リンゴが全部で500円だから、それに梨の200円を足して、全部で700円になるんだよ。」という教え方はダメです。覚えてます?子供は日本語、覚えたてなんです。一辺に言うと分からなくなってしまいます。
一個一個、かみしめるように、子供と一緒に確認していきましょう。例えば・・・
「リンゴは1個何円だっけ・・・?そうだよね・・・100円!それが5個あるから、200円、300円・・・(指折り数えて)そそそ、500円になるよね!で、それに梨が200円足されるから・・・」
と、言う風に。
ちなみに前話した、イエスを重ねて話を聞いてもらう技法も、陰で入っています。
【人見知り必見】初対面の人とも楽しく会話するための手順をまとめたよ。
楽しい先生になる
楽しい先生になるためには、別に気の利いた事や、芸を身に着ける必要はないんです。
笑う。笑う。とにかく笑う。これでOKだと思います。自分が楽しければ、相手も楽しいんですよ。と、いっても感情が乗ってない笑い(愛想笑いとか)はダメです。これも子供に見抜かれてしまいます。
自分がどういうところで笑えるのか??これは先生自身が考えないといけないところです。そして指導の中で「どう自分が楽しい話に持っていくか?」考えなくてはいけません。僕のバイトの場合、それを一人五分でやっていました。
そう考えると、子供に勉強を教えるって、「すっごい高度な知的スポーツだった」と思うんですよねぇ。。。
でも注意してもらいたいのは、決して「子供のことを笑わない」ということです。いじるのはいいですが、「相手が嫌な気持ちになる」ようなこと・・・馬鹿にしたり、ディスったりして笑ってはいけません。
まとめ「あ、これって・・・」
以上、子供に勉強を教える秘訣についてお話してきました。まとめると、
- 子供の目線を理解し、その目線から話す
- 出来なくても何も言わない。出来たことを「思いっきり」喜ぶ
- 段階を踏んで理解してもらう
- 楽しい先生になる
です。あ、今気付きましたけど、これって普通の人付き合いにも言えるかもしれませんね。部下に対する接し方、とか。小さいとはいえ、同じ人間。
大人でも子供でも、根っこの部分は変わらない、ってことでしょうかね。。。?
子供を教える人たちの、気づきになれば幸いです。