みずから命を断ったとんでもなく良い先輩、小沢さん(仮名)のこと




こんにちは。ゆうげん(@1funkiduki)です。

世の中にはたま〜〜に、「とんでもなく良い人」がいます。

昔、仕事でお世話になった先輩の中に、そんなとんでもなく良い人がいました。

その先輩は自ら死を選んでしまいました。

ここではその先輩を仮に小沢さんとしましょう。彼のことと、考えたことを書きます。

みずから命を断った先輩、小沢さん(仮名)の思い出

前職で海外の仕事をしていたとき、シンガポールでお世話になった先輩がいました。

シンガポールの風景

sasint / Pixabay

その先輩、小沢さん(仮名)は現地で日本人として駐在し、パワハラ感満載のアクが強い日本人上司と、現地シンガポール人との間に立って、長年プロジェクトを回していた影の功労者でした。

小沢さんはどこにでもいるような小さいおっさん。にこやかで明るく、現場の空気をなごませてくれるような人でした。

ときには顧客の理不尽な要求に怒るボクを、にこやかに「まぁまぁ落ち着きなよゆうげんくん」となだめて、現地の飲み屋に連れていって奢ってくれたり、

ときには小沢さんの上司が「ボクらを手伝うな」という命令を出したのに、それを無視して休日でも上司に内緒で手伝ってくれました。

上司に黙って働いているので、タダ働きです。

残業代&海外日当が付くボクらとは違って、文字通り無償で付き合ってくれたわけです。いやむしろ上司にバレるというリスクを背負ってますから、マイナスです。

それもタダのいい人ではありません。小沢さんは仕事が出来る人でもありました。全然知らない案件のはずなのに、手際よくその場で段取りして、チーム全員が効率動くことができました。

ゆうげん
あ〜ぁ、こんな人が上司だったらいいのになぁ。。。

と強く思ったのを覚えています。帰国後も同僚に「小沢さんみたいな上司が最高だ!」と熱く語っていました。

その後、シンガポールのプロジェクトもなんとか収束したので、日本に帰って来ました。

シンガポールでは最後までバタバタで、小沢さんにきちんとお礼を言えなかったので、帰国してからメールでお礼を言いました。「日本かシンガポールで、また会いましょう!」と。

たった1ヶ月しか仕事していないのに、「また仕事がしたい」と思える人はなかなかいません。それだけ小沢さんの印象が良かったんです。

数年後、ボクは転職しました。

退職するとき、現地の上司のパワハラ、現地人との調整のストレスで「小沢さんが体調崩しているらしい」という噂を聞いたこともありましたが、結局退職の挨拶メールをしただけで、小沢さんとは再び会うことができませんでした。

突然の連絡

先日、前職の同僚から、メッセージが届きました。ボクが小沢さんのことを褒めまくっていたのを覚えてくれてたんですね。

「小沢さんが亡くなったよ。自○だって」

・・・ショックでした。

数年前から日本に帰って休職していたそうで、休職中に逝ってしまったようでした。

「なんであんなに良い人が!?」・・・意味が分からずしばらく呆然としてしまいました。

良い人が追い込まれる理由

落ち着いて考えてみると、いままでの社会人生活で小沢さんに似てる先輩もいました。

  • 責任感が強い
  • 優しい
  • 真面目

小沢さんの特徴ピッタリです。一言で言って良い人。でも、鬱で退職していきました。

童話やドラマで、必ず出てくる正義の味方レベルの良い人。自分がどれだけ痛くても、身を粉にして、人に尽くす人です。

ここです。「責任感が強くて、みんなに優しくて真面目な人」ということが原因なんです。

「責任感が強いから」どこまでも自分を責め続けることができます。

たとえば人からどんなに嫌われていても、自分が好きであればやっていけます。その人から離れれば良いですもんね。

逆にどんなに人から好かれていても、自分を嫌いな人は地獄になります。どこに逃げても、自分を責め続ける自分は付いて来るからです。

そんな自分の責めから逃げるには、死ぬしかありません。

優しくて真面目だから」自分の時間、お金、全てが人のために無くなっていきます。

じゃあ良い人やめりゃいいじゃん!って思うんですが、凄く難しいんです。

なぜなら自分も他人も、ずっと「自分(その人)は良い人である」で来ているから。

良い人だから価値があると思ってきた自分自身を一人で急に変えることは容易じゃありません。

話を聞くのが第一歩

こういう人たちに何か出来ることはないんでしょうか。

まずは話を聞くこと、だと思います。

小沢さんのような良い人は、めったに愚痴や弱音を言いません。いや、言えないんです。

逆にこう言う人から弱音を聞けたというのはチャンスなんです。聞いてなんとかしよう、じゃなくて「ただ」聞いてあげてください。「聞いてあげるだけでよい」と思ったら、少し気楽になりませんか。

人一人が無理なく出来ることなんて、小さなものだとおもうんです。

自殺の対人関係理論」という理論があります。以下の3つのような条件が揃った人は自殺しやすくなる、という条件です。

  1. どこにも居場所がないので孤独である
  2. 自分は人に迷惑をかけているという思い込みがある
  3. 自分を傷つけることになれている

話を聞くだけでも、1番目の孤独感は薄れて最悪の自体は防げるんじゃないでしょうか。

小沢さんの場合、海外ということでパワハラ上司以外の人間関係はほとんどありませんでした。独身でしたから、休職して一人ぼっちの時期が続いたのかもしれません。

せめてLINEの連絡先でも交換して、ちょいちょい話を聞くことが出来ればよかったです。

まとめ

ということで、悲しい出来事から、考えたことを書きました。

アナタの周りにもとんでもなく良い人はいませんか?頑張りすぎて消耗してないでしょうか。

ちょっと話を聞いてあげるだけでも、救えるかもしれませんね。

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移住した30代のサラリーマンブロガー。SE/投資家/ドラマー/つけ麺好きです。毎日の気付き/投資/IT情報/お金・時間的に得する情報をお届けします。 ブログは毎月5万人くらい来ます。田舎住まいだけど虫が弱点。あとレバーが食べられない。